名古屋・栄の「テレビ塔」(中部電力Mirai Tower)が、この度、めでたく国の重要文化財に指定される事になりました。栄に出かけると目に入るテレビ塔。存在するのが当たり前のように思っていましたが、国の重文に指定されるニュースを見てびっくり。タワー建築としては日本ではじめての指定らしく、そんなにすごい建築だったとは恥ずかしながら知りませんでした。
テレビ塔は「塔博士」と呼ばれた建築家の内藤多仲氏の設計で、1954年(昭和29年)に完成しました。後に建築された東京タワーなど日本のタワーの先駆けとなり、2011年にテレビのデジタル放送がはじまるまで、電波塔としての役割を担っていました。伊勢湾台風も乗り越えた、頑丈で耐震性にも優れた設計となっているそうです。
できた当初の写真を見ると、まだ周りに高いビルもなく、がらんとした空間に突如現れた鉄の塊といった感じで、少々異質な感じがします。ちなみにパリのエッフェル塔も当初は、町の景観を乱す存在として酷評されたそうですが、今では町のシンボルになっています。テレビ塔も町にすっかり溶け込み、これからも名古屋のシンボルとして存在していくのでしょう。数年前にテレビ塔内部と周辺の久屋大通公園もリニューアルされていますし、観光スポットとしてまた脚光を浴びるチャンスですね。
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名古屋タイムズ・アーカイブス委員会編 樹林舎 2010.12
図書ID:6010483 請求記号:547.8||B 63
INAXギャラリー企画委員会企画 INAX出版 2006.6
図書ID:1299880 請求記号:526.54||Ta 97