名古屋工業大学図書館報「@Library」

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世界三大美書

世の中には、「世界三大○○」と呼ばれるものが数多くあります。
有名どころとしては、「世界三大美人」「世界三大珍味」などでしょうか。
そして、この「世界三大○○」は、本の世界にも存在しています。
それが、「世界三大美書」と呼ばれる3つの本であり、その内訳は以下の通りです。

『チョーサー著作集』(ケルムスコット・プレス))
『欽定英訳聖書』(ダブス・プレス)
『ダンテ著作集』(アシェンデン・プレス)

これらはすべて、19世紀末から20世紀初頭にイギリスで生み出された本です。
当時のイギリスでは、理想の書物を自ら生み出そうとするプライヴェート・プレス運動が盛んとなっており、これらの本はそんな時代に生まれた最高峰の本と位置付けられています。

数年前、横浜で開催される図書館総合展という催しで、これら3点の本が一堂に会して展示されるという機会がありました。
私もその際に実物を拝見したのですが、3点とも目が離せなくなるようなオーラを放っていて、生まれて初めて”本”というものに圧倒されました。
(一緒に置いてあった一千万円越えの値札に圧倒されたという部分も否めませんが……)

ケルムスコット・プレスの『チョーサー著作集』は、日本の大学とも深いつながりがあります。
関東大震災で東京大学の図書館が崩壊した際、イギリスから復興支援として贈られた本の代表が、この『チョーサー著作集』だったそうです。

こういった、”本”に関する面白い話が書かれた本が図書館にもありますので、ぜひ手に取ってみてください。

美しい書物の話 : 中世の彩飾写本からウィリアム・モリスまで
アラン・G・トマス著 ; 小野悦子訳 晶文社 1997.5
請求記号:020.23||Th 5 資料ID:1287902

 

ちなみに、世界三大図書館は「アメリカ議会図書館」「フランス国立図書館」「大英図書館」だそうです。
日本の国立国会図書館は含まれないようで、少し残念です。

アメリカ議会図書館

                                     アメリカ議会図書館