名古屋工業大学図書館報「@Library」

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ひらめき思考

 インスピレーションは、旅行の途中とか、食事中とか、何か別のことを考えているときにわいてくるものです。創造的な思考のプロセスというものは、思考の力で呼び起こすことはできないし、骨身を削るような努力をしたからと言って浮かんでくるものでもありません。

 有名な話に、ある実験心理学の教授がチンパンジーの問題解決能力を調べた時のエピソードがあります。チンパンジーが飛び上がっただけでは届かないくらいの高さのところに天井の中央からバナナを吊り下げました。
 部屋には梱包用の木枠がいくつか散らばっていてほかには何もありません。このチンパンジーが木枠を部屋の中央に持ってきてその上に登り、バナナを手に入れることを思いつくかというのがこのテストの目的でした。
 はじめチンパンジーはおとなしく部屋の隅に座って教授があちこち木枠を運ぶ姿を眺めていました。ところが教授が部屋の中央を横切ろうとした瞬間にチンパンジーが、彼の肩の上に飛び乗り、バナナのところで空中に飛び上がってそれを手に入れました。
 この話では、一見むずかしそうに見える問題にも、意表をつくような解法があることを示しています。このようなひらめき思考を、心理学者は【アハ反応】と呼んでいるそうです。


公平な配分
 まず、ケーキを2人で公平にわけることを考えます。これは、ある一人が半分だと思う所をナイフで切り、残りの一人が2つのうちどちらかを選べば公平に分けられるということになります。
では、ケーキを3人で分けてみんなが満足するにはどうすればよいでしょう?
 皆さんで考えてみてください。

 aha!ひらめき思考
  マーチン・ガードナー著;島田一男訳      日本経済新聞社  1979.1
  請求記号:410.79||G 22 図書ID:1141843


1年365日なのに1クラス30人でほぼ1組は同じ誕生日?
 単純に考えれば366人いれば必ず1人は同じ誕生日の人が存在することはわかりますね。
大人数ならその確率が高くなることは簡単に想像できます。では35人だったらクラスに誕生日が重なる人がいる確率を予想してみてください。
「366人で100%だから35人なら10%前後かな?」と思うでしょうが実は35人の場合、その確率は80%を超えるのです。
日常の感覚からくる推定が、実際と反することを「パラドックス」といい、この誕生日の確立を「誕生日のパラドックス」と言うそうです。

誕生日が重なる確率の計算方法は
 1-誕生日が重ならない確率=重なる確率[%]
となります。
閏年も考慮し、1年366日として、まず2人の場合を考えます。一方の誕生日ともう片方の誕生日が異なる確率は、「366分の365」です。この時の計算式は
 365÷366=0.99726・・・
したがって、2人の誕生日が重なる確率は
 1-0.99726=0.00273・・・
となり0.3%弱です。3人ならば
 1-(365÷366)×(364÷366)=0.00819・・・
約0.8%になります。
これが30人ならば70%を超え、40人では90%近くになります。
皆さんも一度計算して確かめてみてはいかがでしょう。

 読みだしたら止まらない! 文系もはまる数学
  横山明日希 著  青春出版社 2020.9
  請求記号:410.4||Y79 図書ID:6012083

 

==数学ってこんなに身近で、おもしろかったんだ!==
「もっと早く知りたかった!」ですよね?