名古屋工業大学図書館報「@Library」

「@Library」は、名古屋工業大学図書館のブログ版図書館報です。詳細は、http://profile.hatena.ne.jp/nitlib/ をご覧ください。

-ほんだな-を透して見た風景

f:id:nitlib:20210204133251p:plain棚』-ほんだな-は、十数年前の卒業生の作品です。南館1階の新着図書紹介コーナーにあります。

本を森のように三つ重ねて本棚とした斬新なタイトル。私にとって、普通の書架とは違った特別な存在感を持っていました。一年を通して、幹であり枝である本棚を、葉っぱである図書が彩り、四季折々の表情をみせてくれているかのようでした。この書架の前に立つと、すうっと心が落ち着き、目を閉じると、森の風景が浮かんできます。

日本の国土の約7割は森林。世界を見渡すと森林の減少は加速していますが、日本の森林面積は約40年間ほぼ変わらないそうです。森を守り再生していくと言った取り組みにより、過去のものが現在に生き、未来にわたり常に若く瑞々しい姿を保ち続けています。まわりが変化しても、変わらない何かを守る。これは、1300年にもわたり、ずっと繰り返されてきた式年遷宮の永遠の森の思想です。最近では、世界中で、自然や生命が循環するように、グリーン・リカバリー(緑の回復)と呼ばれる経済復興策も広がりを見せているようですね。

コロナ禍により、人と人との交わり(循環)が減り、新たな出会いも減っている状況を、森林が減少していく姿に重ねてしまいます。そんな中で、豊かな森を連想させた『f:id:nitlib:20210204133251p:plain棚』-ほんだな-は、ほっと木の温もりを感じさせるような、安らぎを与えてくれました。皆さんは、館内にお気に入りの場所がありますか?

図書館がそんな居心地のよい空間であるといいな。

f:id:nitlib:20210204135852p:plain f:id:nitlib<img src=