名古屋工業大学附属図書館報「@Library」

「@Library」は、名古屋工業大学附属図書館のブログ版図書館報です。詳細は、http://profile.hatena.ne.jp/nitlib/ をご覧ください。

【蔵出し本】 第4回 『名著復刻全集』

過去3回ほど【蔵出し本】と題し、数ある蔵書の中からレアな図書を紹介しました。
今回は久しぶりの【蔵出し本】として、日本近代文学館の『名著復刻全集』を紹介します。
雰囲気のある本なので、(図書館のラベルが貼ってあったり、煤けたり傷んだりして見栄えは良くないですが・・・)今回は書庫の隅から出して、南館2Fの@Libraryコーナーに並べました。
小説の内容と装丁のデザインとがあいまって、なかなかの情緒。ぜひ手に取ってみてください。

日本の近代文学の初版本を復刻した『名著復刻全集』は昭和43年から4種類が刊行されました。
所蔵している図書館も多いので、見たことのある人もいるかと思います。
名工大でも『新選 名著復刻全集(抜けいている巻あり)』を所蔵しています。
昔、本学の先生から寄贈していただきました。
主にオフセット印刷ですが、用紙等の材料にこだわり原本の再現に努めたそうです。
所蔵するものの中から代表的なタイトルを紹介します。
1)みだれ髪/ 与謝野晶子
四六判変型どり(袖珍本)
装幀 藤島武二
190×85mm の変型の図書です。教科書でこの表紙デザインはおなじみかと思います。
2)海潮音/ 上田敏
装幀 藤島武二
小寺健吉装幀としている資料もあります。(文末の参考資料2参照)
3)吾輩は猫である/ 夏目漱石
天金アンカット 橋口五葉 装幀
上編 挿絵 中村不折 洋画家、書家
中・下 挿絵 浅井黙語 洋画家<装丁用語>
・天金
本の天(上部)を金で装飾することです。
・アンカット
本の三方を化粧立ちにせず、本文を印刷後、折りたたんだまま(袋状になっている)の状態を言います。
読者は、ペーパーナイフなどでページを切り開きながら本を読みます。このため、本の小口はぎざぎざになっています。

4)思い出/ 北原白秋
アンカット
装幀 北原白秋
口絵 北原白秋
著者の自装本です。こちらもアンカット本です。
『名著復刻全集』の「作品解題」には、オリジナルの装幀情報も掲載されています。(文末の参考資料1参照)
南館2F@Libraryコーナーには、装丁、製本に関する図書もあわせて並べています。

                                                                                                                                                            • -

参考資料
1名著複刻全集編集委員会編「作品解題」 新選名著複刻全集近代文学館 (日本近代文学館 1970) 
2「本の美」 別冊太陽 53巻(平凡社 1986)(本学では所蔵していません。)
3工藤早弓「明治・大正詩集の装幀」京都書院アーツコレクション (京都書院 1997) (本学では所蔵していません。)