名古屋工業大学図書館報「@Library」

「@Library」は、名古屋工業大学図書館のブログ版図書館報です。詳細は、http://profile.hatena.ne.jp/nitlib/ をご覧ください。

学生リクエスト図書について

学生リクエスト図書展示

学生の皆さん、学習や研究に必要な図書は、
図書館にリクエストすることができることをご存知でしょうか?

リクエストは、学生ポータルの図書館サービスメニューからできます。
以下をご確認のうえ、お申し込みください。


<リクエスト前の注意事項>

・OPACで図書館の所蔵がないかどうか必ず確認してから
 申し込みをしてください。

・年度内での購入希望冊数は、一人3冊までです。

・本の価格・内容等によっては、お受けできない場合があります。

・リクエストを受け付けてから利用していただけるまで、
 通常2週間~1ヵ月程度かかります。

・申込者以外利用価値のない図書は、購入できません。
 広く利用されることがわかるように、購入依頼理由を必ず明記してください。

 

今回、今までにリクエストで購入した図書の一部を展示しました。
ぜひご覧ください。

皆さんからのリクエストをお待ちしています!

*「学生リクエスト」の展示は、
 図書館南館1 新着図書コーナー横に設置されています。

竹中大工道具館に行ってきました。

竹中大工道具館 外観

新神戸駅から徒歩3分の場所にある、竹中大工道具館に行ってきました。

日本で唯一の大工道具博物館だそうです。
大工道具の歴史や棟梁の仕事についての展示や、原寸大の建築模型もあり
決して広くはない博物館ですが、時間を忘れて長居してしまうほど。
中でもスケルトン茶室(壁を塗りこめる前の状態で、構造が丸見え)は、
細部にいたるまで丁寧に組まれた部材を見ることができ、
手仕事の緻密さに目がくぎづけです。

大工道具の歴史についての展示コーナーでは、
名工大図書館で所蔵する「大工雛形」の複製展示がありました。
「大工雛形」は様々な種類が存在するので、名工大所蔵分とは
別の雛形を見ることができました。

過去ブログ参照:


ボランティアの方の館内ガイドは、展示についての興味深いあれこれを、
惜しみなくお話しいただけるので、ぜひ参加してほしいイベントのひとつです。
他にも「ちょこっと木工」など気になるワークショップも行われています。

2018年5月6日まで、「アニメーションにみる日本建築」として
ジブリの立体建造物展から抜粋されたミニ展示も開催中です。

このジブリの立体建造物展については、図録を名工大図書館で所蔵しています。
ジブリの立体建造物展 | 名古屋工業大学附属図書館蔵書検索(名工大OPAC)

この展覧会では、建築家の藤森照信がジブリ作品に出てくる建築を
自身の視点から読み解いたコメントを書いているのですが、
図録でも読むことができます。
日本や世界の建築物への造詣の深さとわかりやすさで、読み物としても
おもしろいですよ。

建築を勉強中の方も、そうでない方へも、竹中大工道具館 おすすめです。

図書館へ行こう!

鶴舞公園の桜も、ピンクから鮮やかな緑へと変化してきました。
新入生の方も進級された方も、新しい1週間を経て
日常を取り戻しつつあるのではないかと思います。

附属図書館では、4月9日~11日に新入生向け図書館ツアーを行いました。
職員にとってもフレッシュな気持ちを取り戻す3日間となりました。

入館ゲートを入ってすぐの展示コーナーでは、
図書館内がひとめでわかる館内マップと図書とを組み合わせた
企画展示を行っています。
図書館のスチューデントアシスタントが、はじめて図書館を利用する方向けに
考えた企画です。
配布用のマップも用意していますので、ご自由にお持ちください。
裏面には、「いきなり役立つ図書館活用法」が載っていますよ!

企画展示の写真

ほかにも「学生・教職員のおすすめ図書」や生協学生委員会による
本屋大賞関連企画、NITech Hallホワイエで現在開催中(4月7日~5月6日)の
「窓学展」(http://madoken.jp/news/2018/03/4097/)関連図書を集めた
ミニ企画など、様々な企画展示を行っています。
(多くの本が貸出中のこともありますが)
授業の空き時間に図書館内を散策してみると、興味を惹かれる図書との出会いが
あるかもしれません。

「窓学展」関連展示
今後もいろいろな企画展示を行いますのでお楽しみに!

技術的特異点を迎え撃て!<図書館からのメッセージ>

内匠 逸 先生

附属図書館長 内匠 逸

 ご入学・ご進学、誠におめでとうございます。
あらたに学部に入学された皆さんは、工学エリートへのスタートラインに立ち、
大学院に進学された方々は、一層の専門性追求の段階に入ることになります。
どうか初心を忘れず自らの理想像を追い求めてください。

さて、工学の深淵を探求しようとする皆さんは、
第4次産業革命 (Industrie 4.0) や超スマート社会 (Society 5.0) という
近未来を象徴する言葉を耳にしているはずです。
味気ない表現としては、コンピュータによる社会の合理化を
一層推し進めることで、現代社会が直面する課題を解決できるという考えです。
もう少し味を付けると、サイバー空間の膨大な情報処理能力を
リアル空間のデータと融合させ、生産、流通、消費、交通、居住など
人々の生活を支える全ての社会活動が横断的で高い視点から
最適化された社会を実現することです。

超スマート社会実現へのキーワードとして、
IoT (Internet of Things)、ビッグデータ、人工知能(AI)、セキュリティ
という言葉が飛び交っています。
これらはいずれも、かつて情報学の専門用語でしたが、
いまでは、工学あるいは社会の共通語になっています。
情報学はメタサイエンスの一つと言われ、工学・理学の全分野を支え、
加速させるために不可欠な学問になっています。
情報学の研究成果、知見や技法をうまく利用すると、
研究の進捗が速やかであったり、不要な試行の時間を節約できたりします。

第1次産業革命以降、社会の変革は工学の歴史です。
これからの超スマート社会を作り牽引するのは工学者となる皆さんです。
したがって、皆さんには自分の専門分野と並行して
情報学の基礎を学んで頂きたい。
早晩、人工知能が人間を超える技術的特異点、シンギュラリティの瞬間が
訪れます。
そのときこそ、人工知能を使いこなす情報学の智慧が必要となりますが、
さらに大切なものがあります。
それは皆さんにしかできない人工知能の使い方、目的です。
なかでも、新しい価値を生み出すことができるのは、
一人ひとりの専門分野における知識の社会への還元と
知識の深化を目的とする使い方ではないでしょうか。
いずれも、基礎的な確固たる専門知識と、
自らが積み上げた知見・発見の上にのみ成り立つものです。

附属図書館は、知識収集の場です。
設立以来、工学の専門図書を多数所蔵していますし、
電子ジャーナルというオンライン論文集も用意しています。
それぞれの専門領域における基礎から最新成果まで広く吸収できます。
また、能動学習の場でもあります。
基礎を充分に学びつつ、互いに切磋琢磨することで、
研究のための足腰を強固に鍛えて頂くことを期待しております。

教職員のおすすめ図書

Y.K.(学術情報課)


ルイス・サッカー著 幸田 敦子訳 講談社  2006.12
請求記号:933.7||Sa 12  図書ID:6009992

主人公スタンリーが困難を乗り越え、不運に負けず成長するお話です。
この本の魅力は、読み終えたときに、スタンリーの成長を通して
読者である自分自身の中からも、新たな自分を発見するところでしょう。
『児童文学』ではありますが、子どもだけではなく
大人の方にも幅広く楽しんでいただける本です。
子どもの頃に読んだことがある方も、改めて読んでみては
いかがでしょうか。

 

私は、息子が中学生の頃にこの本に出会いました。
先日、この本が新聞の大学生による推薦図書欄に
紹介されていたので、懐かしくなり
もう一度読んでみようと手に取ってみたのです。

 

息子は現在社会人3年目、やっと仕事が自分のものになって
きたかなあというところです。
この春、一人暮らしを始め、巣立っていきました。
このオーロラの写真は息子が一人旅に出かけた際に
お土産としてくれたもの。
もう親の手を離れてしまいましたが、今はさみしいというより、
たくましく成長した彼を嬉しく思います。


オーロラの写真

 

春は出会いと別れの季節です。
新たな活躍の場へと、歩みを一歩進める方もいらっしゃると思います。
困難や戸惑う場面もあることでしょう。
その時には、ぜひスタンリーのように最後まで諦めず、
幸せを掴んでほしいと願っています。

 

どの方にもキラキラと光る星があります。
ぜひその星を見つけてください。

メナード美術館に行ってきました。

小牧市にあるメナード美術館行って来ました。

「開館30周年記念コレクション名作展 メナード美術館30のテーマ Ⅱ期
テーマ16~30」で、葛飾応為の「夜桜美人図」をみるためです。
応為は、葛飾北斎の娘で、このところ、複数のテレビ番組で
とりあげられたりして、注目されています。
「夜桜美人図」は、メナード美術館のコレクションですが、
常に展示しているわけではないようなので、この機会に観てくださいと
言いたいところですが、残念ながら、「夜桜美人図」の展示は、
前期平成30年2月4日までで終了しました。

他にも見どころはあるかと思いますが、高村光太郎の重要な木彫作品「栄螺」は、
残りの会期中も展示されています。
この作品は、1930年から2003年に発見されるまで、行方不明になって
いたんですね。

本学所蔵の図書「高村光太郎造型」
高村光太郎造型 | 名古屋工業大学附属図書館蔵書検索(名工大OPAC)
p.220-221では、高村光太郎著「回想録」で「栄螺」について触れた箇所を
引用しています。
1973年に発行された「高村光太郎造型」では、著者は、
「この木彫は、いまどこにあるのだろうか。」と記しています。

発見された際には、新聞でも報道されました。
学内の方は、「栄螺」発見の新聞記事をELNETでご覧いただけます。
学内から、図書館webサイト→学内の資料を使う→ELNET にアクセスし、
「高村光太郎 栄螺」で検索してください。

行ってみよう!と思われた方は、美術館のウェッブサイト
メナード美術館-公式ホームページ - MENARD ART MUSEUM
で、開館日・時間等ご確認ください。
名古屋駅から高速バスで行くと、帰りの名古屋方面のバス停が
ちょっと分かりにくいです。
来る時に降りたバス停の道を挟んだ反対側ではないので、要注意です。
美術館サイトの「アクセス」を見てください。

Youは何しに図書館へ?

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図書館はどこでもドア的な場所です。
時代も空間も言語も飛び超えた、いろいろな出会いが
静かにあなたを待っています。

ネットも同様な場で、本では表せない色・音・動きがあり、鮮度も良く、
特に、情報量が多くなっても物理的には携帯電話1台分という点は画期的です。
けれども、本や図書館がもつ時間の流れは、
より人に寄り添っているように思えます。

駅のような図書館に、いろいろな目的地を目指した旅人がやってきます。
心の中の目的地は知る由もありませんが、
その旅人は図書館で、研究の調べ物をしたり、
雑誌で情報を探したり、静かな学習環境を得たりしています。
試験期間中だけ活用している人、グループワークに部屋を借りる人、
キーボードを打ち続けている人、暖をとりつつうたたねをしている人もいます。
デート中の二人やおやつを食べている人も。
(図書館は飲食禁止なのでやめてくださいね。
本が痛みますし、Gも出没します。)
実は図書館はこんなふうに、利用する人々が育てているという一面もあります。
皆さんはそれを意識されたことはありますか。
是非在学中に図書館育てを楽しんでください。


ところで、皆さんが遠くへ旅をするときは新幹線を使うと思います。
でも、青春18きっぷという選択肢もあります。
特急が使えない分、時間はかかりますが、途中駅の乗り降りが自由です。
大学図書館では専門分野の本がたくさんありますが、
自分の専門の本をどんどん読み進めていくのは、新幹線的な活用方法です。
一方、青春18きっぷ方式では専門分野ではない本も開きます。
効率は良くないかもしれませんが、学ぶものは多いと思います。
初めて降りる駅の改札を出ると、きっといろいろなものに出会うでしょう。
そこで得た別の発想なり考え方なりを理解していくことは最終目的を豊かにするはずです。

というわけで、図書館や書店で、いつもと違う階や違うコーナーの本棚へ
足を運んでみてください。
きっと本の方からあなたに声を掛けてきますよ。