ある先生が「学生に科学に関する読み物的本をもっと読んでもらいたい!」とおっしゃっていました。
折しも10月27日は文字・活字文化の日。〜11月9日までは読書週間!ということもあり、
図書館にどんな本があるか再確認する中で、選書担当職員がこれはおもしろいという1冊を紹介します。
最相葉月「ビヨンド・エジソン:12人の博士が見つめる未来」(ポプラ社 2009) 所蔵あり
「人はなぜ、科学者になるのだろうか。いつ、どこで科学と出会うのだろうか。たとえば、子どものころに
発明王エジソンの伝記を読んだことがきっかけで科学者を目指したという人はいるのだろうか。科学の
道に進んだとして、どのようにして研究テーマを見つけるのだろうか。そのテーマを生涯にわたって探究
し続ける意志の力はどこから生まれるのだろうか。」 (p.1)
著者は、この疑問に関し国内の12人の研究者にインタビューを行いました。この12人の中には、
はやぶさプロジェクトの矢野創 助教もいます。はやぶさ帰還前のインタビューです。
「宇宙探査には、いつも向かい風が吹いているんです。・・・立ち向かう覚悟をしたら、一緒に闘いましょう。
宇宙を目指す学生にはそう伝えたい。仲間は多いほうがいいですからね。・・・」 (p.244)
大学に入ったものの「自分のやりたかったものってなんだったっけ・・・」と揺れている学生の方、
どうですか?この言葉に惹かれませんか?この本を読んで「科学技術」って、すごい!おもしろい!
と思ったら、他の本も読んでみてください。「他の本って?」という方は、こんなのはいかがでしょう?
1.「科学者達に影響を与えた伝記」を読む
・藤原正彦「若き数学者のアメリカ」新潮文庫 (新潮社 1981) 所蔵あり
・ネルソン・マンデラ「ネルソン・マンデラ自伝自由への長い道 上.下巻」(日本放送出版協会 1996)
・高田宏「言葉の海へ」羊泉社MC新書 (羊泉社 2007) 所蔵あり
・中谷宇吉郎ほか編「中谷宇吉郎随筆集」(岩波文庫 1988)
・テンプル・グランデインほか「動物感覚アニマル・マインドを読み解く」(日本放送出版協会 2006)
・津本陽「大谷光瑞の生涯」角川文庫(角川書店 1999)
・デニス・M・小川ほか「風は偉大なる者を燃え立たせる宇宙飛行士エリスン・オニヅカの生涯」(PMC出版 1989)
・ジェーン・グドールほか「森の旅人」(角川書店 2000) 所蔵あり
2.「最相葉月」を読む
他にも科学分野のノンフィクション作品を書いています。
・最相葉月「絶対音感」(小学館 1998) 所蔵あり
・最相葉月「いのち:生命科学に言葉はあるか」文春新書(文藝春秋 2005)
・最相葉月「青いバラ」 小学館 2001
3.「ビヨンド・エジソン」であげられたその他の図書・論文を読む。
この本では、各研究者の研究内容の紹介のため、論文や他の図書が参考としてあげられています。
論文となるとレベルが急にあがりますが、第9章「人間とコンピュータの対話をデザインする:情報
科学者・中小路久美代と作曲家モーツァルト伝」の参考文献リストにある論文をあげておきます。
全文が公開されている論文にリンクをはりましたので、研究論文とはこのやうなものかと
眺めてみるのもよいでしょう。
・山本恭裕,高田眞吾,中小路久美代.「全体」「部分」間の相互作用に着目したドキュメント構築支援
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 第98巻第9号 p.7-12 1998(参照2011-10-12)
・渡邉将人,山本恭裕,中小路久美代,小池康晴.
トルク・スティフネス情報を用いた筋電信号インタフェースによる多自由度操作システムの提案.
電子情報通信学会技術研究報告.NC,ニューロコンピューティング 第106巻第588号 p.91-96 2007(参照2011-10-12)
※図書が本学にない場合は、鶴舞図書館でも探してみてください。→鶴舞図書館
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