名古屋工業大学図書館報「@Library」

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「会う」よろこび

展覧会が好きで、年に数回、国内の美術展に足を運びます。

本物に会いに、現地の美術館を訪れることも楽しみのひとつでした。

何といっても今年は、3月上旬からの国立西洋美術館(東京・上野公園)にて開催の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の開幕を心待ちにしていました。早速、春に予定していたのですが、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、開幕が延期となり、残念ながら一度、断念しました。

 そんな中、原田マハさんのアート小説がお気に入りです。小説は、いつも美しい映像作品を鑑賞した後のような気分にさせてくれます。

名工大図書館にも2冊所蔵があります。

『楽園のカンヴァス』は、有名なアートミステリーです。ルソー好きな人には、特に面白いのではないでしょうか。小説を通して、絵のことをもっと知りたくなりました。その直後に訪れた「エルミタージュ美術館」では、レンブラントやピカソ、マティスなどの作品の数々に、いつもは味わったことのない圧倒されるようなオーラを感じたことを覚えています。アートの見方が少し広がったように思います。

もう1冊所蔵している『たゆたえども沈まず』は、表紙の糸杉を見ると、昨年の上野の森美術館での「ゴッホ展」が甦ります。人気の天才画家ゴッホですので、観に行かれた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか…。

私は、本物の糸杉の前に立ったら、しばらく動けなくなりました。ただただ嬉しくて。どれだけ眺めていても飽きることがなかったです。

どんなに映像表現技術が高度化し、最先端の科学技術が登場しても、いまだに人を幸福にするのは、「会う」よろこびなのだと思います。コロナ禍で海外旅行が叶わない今ですが、早く人々が自由に移動できるようになりますように。今は、たゆたえども沈まずに、少しでも事態が良い方向に向かっていることを願います。

 

楽園のカンヴァス

原田マハ 新潮社 2012.1

請求記号:913.6||H 32 図書ID:1322732

たゆたえども沈まず

原田マハ 幻冬舎 2017.10

請求記号:913.6||H 32 図書ID:1333471

 

**アート関連**

レンブラントとイタリア・ルネサンス

ケネス・クラーク 法政大学出版局 1992.5

請求記号:723.35||C 74 図書ID:1232387

ピカソ偽りの伝説

アリアーナ・S・ハフィントン著 ; 高橋早苗訳 草思社, 1991.6

請求記号:723.35||C 74 図書ID:上:1229607 下:1229608

ゴッホ:闘う画家 

木下長宏 六曜社 2002.2 

請求記号:723.359||Ki 46 図書ID:1307559

ゴッホの遺言 : 贋作に隠された自殺の真相 

小林英樹 情報センター出版局 1999.4

請求記号:723.359||Ko Ko12 図書ID:1277721

エルミタージュへの招待

北洞孝雄文 ; 後山一朗写真 北海道新聞社, 1987.6

請求記号:706.9||Ki 64 図書ID:1199929