名古屋工業大学図書館報「@Library」

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コロナ禍

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新年度が始まり、半年がたちました。

とくに新入生のみなさんは大学生活に大きな夢を膨らませていたことと思います。
今年はまさに『コロナ禍』の一年。大変な年になってしまいましたね。
本来であれば、大学生生活はたくさんの友人と語り合い、親交を深めたり、将来の夢に向かって一人ひとりが自分の興味をもとに研究に向かったりできるときです。
その機会を持つことが困難な状況に置かれてしまっていることはとても残念ですね。なんだかさみしく、不安に思うこともあるかもしれません。
しかし、そんな心が不安定なときこそ、自分自身に向き合ってみるのもいいかもしれません。

 宮崎 駿が語る<児童文学>への熱い思い

   大切な本が、一冊あればいい。

『本へのとびら : 岩波少年文庫を語る』 宮崎 駿著(岩波新書)岩波書店 2011.10

請求記号:019.5||Mi88 図書ID:6011997

 
上記の言葉は、かの有名なスタジオジブリの映画監督・宮崎駿氏の言葉です。
アニメーション作品「千と千尋の神隠し」は私の大好きな作品の一つです。
主人公の千尋が不思議なトンネルに入っていくと、異世界に繋がっており、そこでの出会いや様々な困難に立ち向かうことで、成長する物語です。
一冊の児童文学を手にしたときも少し似ています。
児童文学は子どものためだけのものではないと思います。
物語の主人公の冒険を読み進めていくうちに、人生で大切にしたいことにふと気づかされたり、忘れかけていたことを思い起こさせられたりします。
私自身も不安定なときに、児童文学に支えられたこともありました。
ぜひ、このような情勢が不安なときこそ、自分にとってかけがえのない一冊を見つけてもらえるといいなと思います。
 
最後に、もう1つ、宮崎駿氏の言葉を紹介したいと思います。
「人生は再生が可能だ」というのが児童書のいちばんおおきな特徴だったと思うんです。何かうまくないことが起こっても、それを超えてもう一度やり直しがきくんだよ、と。たとえいま貧窮に苦しんでいても、君の努力で目の前が開ける、君を助けてくれる人間があらわれるよ、と、子どもたちにそういうことを伝えようと書かれたものが多かったと思うんです。
 
あたたかいエールを送ってくれる本に出会うことができるといいなと思います。