名古屋工業大学図書館報「@Library」

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変化の中で

 オンライン授業、オンラインミーティングには慣れましたか。
オンラインで作られた「場」での交流は、ゲーム、取引、面接、ショッピング、診療、飲み会、法要、結婚式、お見舞い、投票、ライブに映画会等々、新型コロナの後押しもあって、一気に市民権を得ています。でも、その変化に少々不安を感じることがあります。
 その淡い不安は昔から「変化」のあるところに常にあったものだと思います。
石版や木版に刻む文字から筆で書く文字へ、筆やペンから活字へ、そして電子化へと、新しい手法が広まりつつあるとき、人は慣れ親しんだものとの別れに、何かを失うような不安を感じたはずです。
 ある種の違和感を抱きながらも、その時代に即して生み出された新しい方法を、日々の生活に取り込んできたわけです。
 
 人は過去に何を失い、今また、何を失いつつあるのでしょうか。(オンラインシステムの普及で失うのはPC代と通信代というのはさておき。)
その答えは1つではないのでここでは割愛しますが、思いつきを一つ挙げるならば、「心のゆとり」ではないでしょうか。
 不便さの中には時間がかかるという要素があります。それが時間がかかるではなく、かけるという主体性を持つとき、心のゆとりが育まれるのではないかと思います。
 
 変化の中で目に見える事象を追うだけでなく、見えていないことにも何かに気づくこと、きっとそれがまた次の始まりに繋がるように思います。