名古屋工業大学図書館報「@Library」

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書籍のカバー

皆さんは、書籍のジャケ買い(ジャケット買い)をされたことがあるでしょうか。
 日本の出版業界ではライトノベルなどを筆頭に、カバーがその書籍の売り上げを大きく左右することがあるようです。
(ちなみに、日本では書籍本体の表紙を包む紙を「カバー」と呼ぶことが多いですが、海外では「ジャケット」になるとのこと。「カバー」は文字通り本体の表紙のことと解釈されるそうです)
 そんな書籍のカバーですが、なかなか奥が深い。
 例えば、表紙に使われるイラスト。あれを単体で見ると、どこか物足りないような、寂しい感じに思えてしまう時があります。しかし、そこにタイトルなどが入ると、あら不思議。物足りない印象は一気になくなります。表紙に使われるイラストが、別の要素を上に乗せることまで計算して作られているのだと、よくわかります。
 タイトルなどに使われる文字も、書体やサイズや色使い、縦書き・横書きはたまた斜め書きなど、目にした人へより強く訴えかけるための仕掛けが随所に施されています。
 さらにはカバーに使われるPP加工(ポリプロピレン加工)。カバーを傷や汚れから保護する意味合いもあるPP加工ですが、これもカバーデザインに大きな影響を与えます。例えば、文庫などでよく使用されているグロスPPですが、かけられる前と後を見比べると、かけられた後の方がより一層発色が鮮やかな印象になります。
 書店で何気なく目にする、書籍のカバー。その一点一点に、イラストレーターやデザイナーの創意工夫が詰まっています。
 そのカバーには、どんな意図が籠められているのか。考えてみると、楽しいかもしれませんね。

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 鈴木成一装丁を語る。
鈴木成一著 イースト・プレス 2010.7
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鈴木成一著 グラフィック社 2015.10
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