名古屋工業大学図書館報「@Library」

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工学エリートの卵たちへ <図書館からのメッセージ>

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附属図書館長 内匠 逸

 

ご入学・ご進学、誠におめでとうございます。
ひとつ上のステップに登り、新しい視野がひらけてきていませんか。
決して足元ばかりを見ないで、成長する毎に見え方が変化してゆく
周囲の状景を楽しみつつ、次のステップにつなげて頂きたいと思います。

さて、工学を自らの専門分野として選択された皆さんには、
第4次産業革命 (Industrie 4.0) による超スマート社会 (Society 5.0) の実現などの
言葉が届いていることでしょう。
石炭をエネルギー源とする工場の機械化(第1次)、
石油・電力をエネルギー源とする大量生産ラインの導入(第2次)、
電子工学と情報工学による生産ラインの自動化(第3次)と
段階的に世界の工業生産性が高まり、
多くのエネルギーを消費しつつ人々の生活が豊かになってきました。
それとは裏腹に、地球環境が悪化してきていますし、
人類の高齢化が進展しています。
この局面において、サイバー空間の膨大な情報処理能力を実空間に融合させ、
工場全体のスマート化を図る第4次産業革命が動き始めています。
この動きの中で、生産、流通、消費、交通、居住、など人々の生活を支える
全ての社会活動が横断的で高い視点から最適化された超スマート社会が
実現されようとしています。

第1次産業革命に始まる社会の変革は工学の歴史でもあります。
すなわち、これから超スマート社会を作り牽引して行くのは、まさに皆さんです。
超スマート社会のための喫緊の重要技術として、
IoT (Internet of Things)、ビッグデータ、人工知能(AI)、セキュリティなどが
挙げられていますが、第4次産業革命の本質、超スマート社会実現の鍵は、
やはり皆さん一人ひとりが専攻する研究領域にあります。
とはいえ、その専門領域を極めようとする過程において、
情報学の研究成果、知見や技法を利用すると、
自らの研究の進捗が速やかであったり、不要な試行の時間を節約できたりします。
情報学はメタサイエンスの一つとも言われ、全ての工学分野をサポートし、
加速させる学問として、数学と同様に不可欠なものとなってきました。

本学の附属図書館は、構成員である皆さんの情報収集のお手伝いをすることを
第一義としています。
従前より工学の専門図書を多数所蔵してきましたが、昨今それに加えて、
電子ジャーナルというオンラインの論文集の閲覧サービスを行っています。
自らの専門領域が情報学でないとしても、
附属図書館で電子ジャーナルを読んで広く知識を吸収し、
研究のための足腰を強固に鍛えて頂くことを期待しております。
附属図書館は、皆さんを知識の面から支援して参りますので、
積極的に足を運んで頂きご利用くださいますようお待ちしております。