名古屋工業大学図書館報「@Library」

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憲法サンを感じてみては?

2014年11月21日、衆議院が解散されましたね。
今回の選挙が選挙デビュー!という学生さんも多いのではないでしょうか。

ちなみに、解散のとき衆議院議長が、「憲法7条により衆議院を解散する」と
言っていたのを覚えている方はいらっしゃいますか。
そうです。こういうことは憲法に書いてあるんです。

「憲法」なんてコトバ久しぶりに聞きましたか? 
そうですね。とくに、理系のみなさんには相当親近感わかない存在ですよね。
極端な話、憲法なんてなくてもいいじゃん、という人もいるかもしれません。

じつは、憲法サンはそんな考えも許してくれます。
これを思想の自由〔19条〕といいます。
憲サンは「この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」べきとする人たちに
私たち一般市民を挙げていません〔99条〕。

でも、憲サンは、こと人権については、無関心でいてはならない、
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、
これを保持しなければならない」(12条前段)ともいっています。

これには理由があります。
だって、私たちがもっている権利って、たいてい御上の方々には都合が悪いから、
私たちが無関心でいるといつの間にかなくなっちゃいそうですよね?
こういう危機感は、丸山真男『日本の思想』やイェーリング『権利のための闘争』
などを読むと、身に沁みて感じることができます。

憲サンも「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる
自由獲得の努力の成果」(97条)なんだから、大切にしなさいよー、と
言ってくれているんですね。

さて、今少しでも「へぇ~憲法ねぇ」と思われた方には、
『あたらしい憲法のはなし』という本がおススメです。
これは戦後、当時の文部省が中学生1年生用の教科書として作成したもので、
現在ではインターネットで全文を読むことができます。

 ※文部省 あたらしい憲法のはなし(青空文庫)

  http://www.aozora.gr.jp/cards/001128/files/43037_15804.html


選挙の前に、ちょっと憲法感じてみてはいかがでしょうか。