名古屋工業大学図書館報「@Library」

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『テルマエ・ロマエ』考

ゴールデンウィークに封切りされ、観客動員ランキング初登場第1位を記録した『テルマエ・ロマエ』という映画をご存知でしょうか。
2010年『マンガ大賞』『手塚治虫文化賞短編賞』の2冠に輝いた同名コミックを映画化したもので、2500年前の古代ローマ帝国の浴場設計師ルシウスが現代日本にタイムスリップを繰り返し、日本の風呂文化を古代ローマの浴場設計に活かし名声を博すというものです。

作者ヤマザキマリは発想の経緯を、「ヨーロッパにはお風呂も銭湯もないから、お湯につかりたくてもつかれない。でも、そこら中に古代ローマ時代の浴場の遺跡がある。昔はあったのになぜ今ないのか、それがもどかしくて。」と語っています。また、イタリア人の夫が日本の家風呂を見て「古代ローマ人なら日本の風呂の良さをわかってくれるぞ」と笑ったことも大きかったといいます。(ウィキペディアより)

さて、23年前には最先端と思っていた我が家の風呂も少々くたびれてきたので、思い切って改装することが決定。
TOTOショールームを訪ねると、驚きの最新機能の数々が!『魔法びん浴槽』、『銀イオン噴出ぬめりま洗』に『ほっカラリ床』。
「足元から新しい入浴感。畳のような柔らかさのほっカラリ床はやさしくて、気持ちよくてすべりにくいから安心です。」
平たい顔のショールーム・アテンダントの説明に頷くばかり・・・。
「はめ込み式TV」だけは止めにしましたが、シャワー1つとっても今までの半分の水量で水流はより強く、
水道・電気代の節約にも色々と工夫がなされている等々。財布のヒモはゆるみ、現在全機能搭載の浴室が工事中です。
映画の中で、当時最先端をいったローマ帝国から未来へやってきたルシウスが「はめ込み式TV」を見たときの驚きは、恐怖を覚えるほどのものだったに違いありません。現代に生きる私たちは、「現在」から「過去」を見渡し、「未来」へと引き継ぐことで、これからの歴史を積み重ねていくのだと思います。

銭湯通いもあと数日、新しい湯船につかりながら『歴史』の本でも読んでみよう。