名古屋工業大学図書館報「@Library」

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附属図書館長から新入生のみなさんへのメッセージです。


附属図書館長 松尾 啓志


Web時代の皆さんへ
  --メディアの違いを理解しましょう--

入学おめでとうございます。長期の受験勉強の後で、まだ生活のペースをつかむことが難しい時期ですが、いよいよ4年間の大学時代のスタートです。人生の中でも、楽しく、かつ大切な4年間です。

 さて、時代はディジタル全盛です。PCは言うに及ばす、スマートフォン、タブレットなど、ディジタルネイティブの皆さんは、メディア=ディジタルの時代に生きています。何か調べたいことがあればネット検索やWikipedia、専門的な情報までWeb上で大量に、しかも無料で公開されています。

 しかし,本当の知識を身につける大学時代には、Webによる情報収集には2つの問題点があります。ひとつ目は、Web上の情報は玉石混淆であると言うことです。玉が1で石が100と言っても過言ではありません。ふたつ目は、人間の進化の歴史から見て、人間はディジタルディスプレイからの情報入力に慣れていないということです。皆さんもPC上で読んだ文書が頭に入らない経験をしたことはないでしょうか?

一方、図書館で提供するメディアは違います。出版されると言うことは、企画が通り、複数人の校閲を受けるなど、洗練かつ、整理された文章が提供されるということです。少なくともメモ的な文書が目立つWeb上の情報とは一線を画します。さらに紙からの情報入力は紀元前からの歴史があります。

 新聞から始めても、雑誌から始めても、週刊誌からでもかまいません。この4年間の中で、紙に書かれた上質な文章を、大量に脳の中に入力する訓練をするとともに、さらに文章理解の能力を身につけてください。本を読む力を身につけることは一生の宝になりますし、まさに大学時代がその好機です。是非とも図書館を活動拠点として、大学生活を有意義に過ごしてください。