名古屋工業大学図書館報「@Library」

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情報源

教員・学生を問わず大学で求められる必修の資質を、自由な「発想」、「分析」
そして「発表」と考え、そのもととなる情報の収集について考えてみた。
【一次資料】
大学時代から山へよく出かけた。歩くための案内書を山域ごと、時には山ごとに
購入し、事前におすすめの展望箇所や危険箇所などのチェックをいれる。
が、いつの頃からかこうしたガイドブックの類は、山を訪れる人の減少とともに
廃れていき、街の衣食住に関するhowtoものへと変遷してきたように思う。
 時は流れ、元気な老人たちというか、昔の山屋たちが現役を引退し
自由な時間を得るとともに、ネット社会におけるホームページやブログなどの
かたちで情報発信を行うようになっている。花や景色など写真を中心としているため、
いまさらそこまで出かけなくても十分に堪能できるようなものも溢れている。
【二次資料】
ひとつまたはそれ以上の一次資料または二次資料を要約したもの。
たとえば、先生方の執筆論文は専門分野でどのくらい引用されてるんだろうとか。
物理と化学の融合に「失敗のデータベース」なんてのもあったような・・・。
ある分野の専門家や学術的な出版社によって出版された二次資料は、品質管理の
ために注意深く精査されており信頼できると考えられている。

 一次資料および二次資料などからの情報収集に加え、近年特に話題と
なるのが、オンラインによる情報源。安易にアクセスできることや
豊富な情報量が安心感を与えるのか時に信頼されがちであるが、
ブログやツィッターなどの記事は特に信頼度が低いともきく。

 一般的に「情報」は差別化や競争優位の原点であり、企業や人が持つ
「情報の質」がその優位性を決定する。スピードが何よりの命である
トレーディング業界においては 1 ミリ秒の差が 1 年では 1 億ドルの差
を生む場合もあると試算されているそうで、海底光ファイバーケーブル
を再敷設中とのnewsも記憶に新しい。原発事故では知りたい情報や必要
な情報ほど入手し難いと感じるのは自分だけだろうか。

 情報の特性には 機密性、完全性及び可用性があり、メールや掲示板
などですぐ消えるような揮発性情報でない限り、アプリや時にはテンプ
レートなどで蓄積し、必要な時に適切な情報が取り出せるよう整理する。
 信頼できる情報源は一つである必要はなく、複数挙げられているほう
がむしろ望ましい。特に学術的なテーマについては、たいていの分野の
学術雑誌に見られるような査読と評価についての制度の活用がある。

 各種情報収集にあたり便利なネット社会ではあるが、教職員や学生
一人一人に対し、適切な学術情報基盤を提供し、情報の特性に応じた
レファレンスやアドバイスを含めて、学術情報サービスが行えるように
図書館一同磨きをかけて頑張っています。積極的にご活用ください。