名古屋工業大学図書館報「@Library」

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教職員のおすすめ図書

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 石川 有香先生(社会工学専攻/教授)

舟を編む
三浦しをん 光文社 2011.9
請求記号:913.6||Mi 67 図書ID:1316765

「ことば」を「ことば」だけで説明することは、
予想以上に困難な作業です。
たとえば、「右」は、どのように説明すればよいのでしょうか。
「箸やペンを持つ方」という説明もできそうですが、
左利きの人の場合を考えると十分とは言えません。
本書は、さまざまな使用例を収集して、
適切な定義をひとつひとつ組み立てていく
「辞書づくり」に魅せられた人々の物語です。
なお、「右」の定義は本書にありますが、手持ちの辞書でもご確認ください。

ラーニング・コモンズ

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名工大でもラーニング・コモンズが7/1にオープンしました。
ラーニング・コモンズは、
学生の主体的な学びを支援する新しい学習スペースです。
主体的な学習といっても、
具体的なイメージはわかないかもしれません。
これは、ただ知識を受動的に受取るような学習から、
自ら課題を発見し、調べ、考えて、解決するというような学習への
変化をイメージすると、わかりやすいかもしれません。
そのようなプロセスから生まれる多様な能動的学習を
フォローする場として、ラーニング・コモンズは作られました。

1980年代に北米の大学図書館に設置された
インフォメーション・コモンズと呼ばれる場所が
ラーニング・コモンズの始まりとされますが、
現在では、日本を含め、世界中の多くの大学が
このような学習スペースを設けています。

名工大のラーニング・コモンズの特徴は、
図書館内ではなく、図書館の隣にあり、
図書館の学習スペースと連結通路で結んだ点と、
グループ学習に最適な、アクティブラーニングエリアを大きく設け、
これを授業でも活用できる場としている点です。
授業での活用は、学生の皆さんにとっては
常時利用できないという問題もありますが、
講堂内のサイネージで授業時間のお知らせもしていますので、
図書館の学習スペースと合わせて有効活用してもらえればと思います。

さて、建築の分野では、創造的なオフィスをデザインするため
ワークプレイスという概念があるそうです。
仕事のためのオフィスと学習のためのラーニング・コモンズとは、
目的の対象は違いますが、
共同作業で知的生産活動を行うという点は共通します。
ワークプレイスという視点から
オフィスを見直す企業も増えていることから、
ひょっとすると学生の皆さんが将来就職する企業にも
ラーニング・コモンズのようなオフィスがあるかもしれません。

百聞は一見にしかずです。
まだ新講堂2階のラーニング・コモンズを訪れてない方は、
先ず一度来てみてください。
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ラーニング・コモンズオープンに併せて、
図書館建築に関する図書、ラーニングコモンズに関する図書、
グループワーク、プレゼンに関する図書などを集めてみました。
図書館入口正面にて展示を行っています。ぜひ、ご覧ください。

雑誌「Pen」

皆さん、「Pen」という雑誌をご存じですか?
私はたまに書店に行った時に、
「上質な 日常はすぐそこにある」をコンセプトに
今興味のあることなどがよく載っているので
ゆっくり読みたいと思い買ってしまいます。
この間書店に行った時、
ポンピドゥー・センターと近現代アートの特集が載っており、
とても興味が沸いたので皆さんに少しだけですが、ご紹介したいと思います。

ポンピドゥー・センターとは、
近現代アートのコレクションを多数もつ
フランス、パリにある総合文化施設です。
レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースによって
設計された建物は、パイプとガラスで覆われ、
チューブ型のエスカレーターがむき出しになった特徴的な外観で、
アートや建築に興味がある人なら
1度は行ってみたい所ではないでしょうか。
また、2010年に開館したポンピドゥー・センターの姉妹館、
ポンピドゥー・センター・メッスは
日本人建築家の坂茂とフランス人建築家のジャン・ド・ガスティーヌが
共同で設計しており、こちらも斬新な建築となっています。

名工大には、雑誌Penは置いてないのですが、
ポンピドゥー・センターを設計した建築家の図書がありますので、
興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

レンゾ・ピアノ×安藤忠雄 : 建築家の果たす役割 / レンゾ・ピアノ, 安藤忠雄著  
都市 : この小さな惑星の / リチャード・ロジャース, フィリップ・グムチジャン著 ;
野城智也, 和田淳, 手塚貴晴訳

坂茂 / 日経アーキテクチュア編

 

そのポンピドゥー・センターに所蔵されているコレクションの中から
厳選された作品を展示するポンピドゥー・センター傑作展が、
現在、日本の東京都美術館で開催されています。
(開催期間:2016年6月11日~9月22日)
ポンピドゥー・センター傑作展:http://www.pompi.jp/

ピカソやマティス、シャガールなど・・・
近現代アートはその色づかいやかたち、モチーフなどよく分からないけど面白い
と感じてしまう不思議な魅力がありますね。

是非皆さんも時間がありましたら
美術館へ足を運んでくれるといいなって思っています。(何よりも涼しい・・)

生協学生委員による企画展示

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「夏に読みたい本」をテーマに
生協学生委員のみなさんにおすすめ図書の展示を企画してもらいました。
7月1日から8月5日まで、カウンター前のスペースで展示を行っています。

企画をされた生協学生委員の学生さんに、展示紹介の記事を書いてもらいました。

青空が広がり緑は生い茂り、夏の季節を感じる頃となりました。

今回は、生協学生委員会 本プロジェクトとして
本の紹介企画「書夏」
を企画させていただけることになりました。

テーマは「夏に読みたい本」ということで
・「夏」をテーマにした本
・涼しくなれる本
・旅行本
・自由研究・実験の本
の4つから本を集めました。

懐かしくなったり、身も心も涼しくなったり、
夏休みに旅行に行く、家で実験をしてみる…などなど
時間のある夏休みにこそ、
ぜひみなさんにお勧めしたい本ばかりを選びました。
一冊一冊に付いたPOPも参考に、
あなたのお気に入りの一冊を見つけてみてください。

今年の夏は読書に時間を費やしてみるのも良いのではないでしょうか?

学生の「おすすめ図書」

f:id:nitlib:20160629101507j:plain(生命・応用化学専攻/博士前期課程1年)

沈まぬ太陽
山崎豊子著 新潮社 2001.12-2002.1
請求記号:913.6||Y 43||1  図書ID: 6008710

1985年に御巣鷹山で起こった日本航空123便墜落事故をモデルに

空の安全のため、社員の労働環境の改善を叫んだ主人公・恩地の

人生を通して、航空会社における「空の安全」について描いた作品。

過酷な労働環境、それがもたらす悲惨な事故、

技術者の卵である我々名工大生に求められる技術者倫理について

考えるきっかけになれば幸いです。

教職員のおすすめ図書

丹羽 弘(学術情報課)

新・燃ゆるとき
高杉 良著 講談社 2011.9
請求記号:913.6||Ta 54  図書ID:6004910

一企業に焦点を当て、題材にした小説です。
時は、バブル景気がはじけて、日本経済全体が沈んでいた時代です。
ある食品会社が異文化の国アメリカに
現地子会社と工場をつくり、数々の困難な問題を解決しながら
カップ麺販売数第一位を獲得するまでのはなしです。
今や、中南米では国民食とまで言われている
カップラーメンで有名な「マルチャン」の話です。
企業が異文化の地で成功するための困難さ
「ハラスメント、文化摩擦、言葉、商慣習、特許紛争、労働争議など」
特に、セクハラ問題への対応については
参考になる部分があります。
企業内の話ではあるが異文化との上手な付き合い方、対処の仕方など
参考になる部分がたくさんあります。

電子コミック

漫画家が自分の漫画を、電子書籍のキャンペーンで11円で売ったところ、
ロイヤリティ額が1億3000万円以上だったという記事を読んだ。
電書バトNEWS:http://mangaonweb.com/news/2016/05/25/269

11円で販売したにも関わらず1億3000万円も利益が出たという内容に驚いた。
まさにネット販売だからできる薄利多売方式。
漫画に限らず今後、電子書籍が安くなったり
種類が増えたりする流れは加速するんだろうなぁ。
で、本を扱う図書館もいろいろ影響受けるだろうし、
どうなるんだろ?